「味の素」という調味料は、日本では多くの料理に使われていますね。
しかし、「アメリカでは禁止されている」という噂があります。
実際には、アメリカのスーパーでも売られており、適量なら体に害はないとされています。
過去にはアメリカを含む一部の国で「健康への悪影響」が懸念され、敬遠されていたこともありました。
このような噂が広まると、人々は不安になりますよね。
この記事では、
- なぜ「アメリカで味の素が禁止」という誤解が生まれたのか
- 味の素の安全性について
- またその主要な成分について
詳しく説明します。
もくじ
「味の素はアメリカで禁止されている」は誤解だった!
「味の素」は日本の家庭で広く使われている調味料ですが、アメリカでは禁止されているという誤解があります。
そのような驚くべき噂がどのようにして広まったのかを詳しく見ていきましょう。
味の素の主成分は「グルタミン酸ナトリウム(MSG)」で、食品のうま味を引き出します。
しかし、一部ではMSGが体に害を与えるとの見方もあります。
アメリカでは、
「NO MSG(味の素不使用)」
と表示された食品がよく見られるのは、このためです。
MSGとは何か?
MSGはグルタミン酸ナトリウムのことで、昆布などに含まれる代表的なうま味成分です。
この成分は日本で発見され、醤油やヨーグルトの製造過程と同じような方法で発酵させて作られます。
世界で初めて市販されたのが「味の素」でした。
日本では多くの食品に使われるこの調味料は、人工的に作られているため、過去に「化学調味料」としてネガティブなイメージを持たれがちでした。
このようなイメージが原因で、味の素に対して疑念を抱く人もいました。
中華料理症候群
日本で信頼されている「味の素」が、アメリカでは1968年に起こったある事件によって、健康に悪影響を及ぼすと疑われるようになりました。
この1968年の事件とは、中華料理症候群事件。
中華料理を食べたアメリカ人が頭痛、体のしびれ、動悸、顔のほてり、疲労感などの症状を訴えました。
これらの症状は、中華料理店で多用されていた「MSG」が原因ではないかと疑われたのです。
これらの症状は軽度で、時間が経つにつれて自然に消えるものでしたが、「中華料理症候群」として知られるようになり、人々から敬遠されるようになりました。
この出来事がきっかけで、MSGには「体に害を及ぼす」というイメージが強くなってしまったのです。
「味の素がアメリカで禁止されている」という噂の理由
「味の素がアメリカで禁止されている」という誤解が広まったのは、
- 人工的に作られる化学調味料であること
- 中華料理症候群事件
が主な原因です。
これらが、MSGを避ける傾向を強めました。
アメリカでは、レストランやスーパーで「NO MSG」の表示がないと売上に影響が出るほどです。
実際には事実ではないものの、MSGに対するネガティブな見方が、MSG不使用の表示を必要とする理由になっています。
このような状況が、「売れるためにはMSGを使ってはならない」という認識を生み出し、結果的に「味の素はアメリカで禁止されている」という誤解を招いたと考えられます。
味の素はアメリカで安全性に疑念を持たれている?
MSGの特性に関して MSGは、過剰に摂取しても味覚でその過剰さを感じにくい特性があります。
砂糖や塩、醤油のように「甘い」「しょっぱい」という味の変化で過剰摂取を自覚できるのとは異なり、MSGは特定の量を超えても味に変化がなく、無意識のうちにたくさん摂取してしまう可能性があるのです。
これにより、気付かぬうちに大量摂取し、健康を害するリスクが考えられます。
MSGの原料について 多くの国で敬遠されがちな「MSG」ですが、主な原料は「天然のさとうきび」などです。
また、芋やとうもろこしを用いる場合もあります。
日本ではその安全性が確認されており、多様な料理に利用されています。
MSGの安全性
MSGは、適切な量であれば、味の素が健康に悪影響を与えることはないとされています。
日本では広く使われ、多くの家庭で必需品とされています。ただし、どんなものでも過剰摂取は避けるべきで、MSGも例外ではありません。
MSGを禁止している国は?
MSGに対する警戒はアメリカだけに限らず、カナダやヨーロッパの健康志向が高い国々でも見られます。
しかし、イギリスの高級レストランの中には、MSGの健康への害を否定するところもあります。
少しずつですが、「MSGは安全」という理解が世界中で広まりつつあり、アメリカやカナダを含む全世界での認識の変化が期待されています。
味の素がアメリカで化学調味料とされる理由
アメリカでは多くの人が「味の素」を体に悪影響を与えるものと見なしていますが、日本ではこの調味料が広く愛用されています。
味の素は料理のうま味を引き出す効果があり、まさに魔法のような調味料と言えるでしょう。
かつては「化学調味料」と呼ばれ、1968年の事件以降、この言葉には否定的なイメージがつきました。
その結果、調味料のカテゴリー名が「化学調味料」から「うま味調味料」に変更されました。
しかし今でもアメリカを含む一部の国々では、化学調味料としての批判が存在します。
うま味成分について
「うま味」とは、甘味、苦味、塩味、酸味に次ぐ、五つの基本的な味覚の一つです。
食材そのものの味を引き立て、料理に深みとコクを加える重要な役割を持っています。
うま味調味料は、次の「3大うま味成分」で構成されています。
- グルタミン酸ナトリウム:
昆布に含まれるうま味の元で、さとうきびから作られています。 - イノシン酸ナトリウム:
かつお節のうま味の元で、さとうきびやとうもろこし、タピオカのデンプンを原料としています。 - グアニル酸ナトリウム:
しいたけに含まれるうま味の元で、やはりさとうきびやとうもろこし、タピオカのデンプンから作られています。
味の素について
「味の素」は、グルタミン酸ナトリウムを主成分とする世界初の調味料です。
アジパンダくんというキャラクターで知られ、多くの人に親しまれていますね。
昆布のうま味成分を使用している点が特徴で、食材のうま味を引き出す「うま味調味料」として位置づけられています。
日本で人気のうま味調味料「ハイミー」と「いの一番」
「ハイミー」もまた、味の素が提供する調味料で、特に「うま味」と「コク」が強いのが特徴です。
この調味料は、そのままだしとしても使えます。
昆布のうま味に加え、かつおとしいたけのうま味も含まれており、「3大うま味成分」がすべて配合されています。価格は味の素よりも高めで、高級なうま味調味料として知られています。
「いの一番」は三菱商事ライフサイエンスが発売している調味料です。
ハイミーと同じく昆布、かつお、しいたけのうま味が調合されており、ハイミーと似た味わいですが、少し風味が異なります。
これらのうま味調味料は日本で大変人気があり、その安全性も確認済みなので、これからも安心して使うことができます。
まとめ
アメリカでは味の素はスーパーで普通に販売されており、禁止されてはいませんが、一部の人々は健康上の危険を感じています。
日本では食品のうま味を高めるために広く使われていますよね。
味の素が健康に害を及ぼすというのは誤解で、適量であれば安全であるとされているからです。
ただし、過剰摂取は健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
MSGに対するネガティブなイメージは徐々に払拭されつつあり、日本での味の素の高い人気とは対照的に、アメリカやヨーロッパなどでは悪評があるのは驚きです。
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