昆布を使って出汁をとると、その後の昆布が余ってしまうことがあります。実は、この昆布を捨てずに再利用する方法がいくつかあり、特に出汁から取った昆布で作る佃煮はとても美味しいです。
昆布で佃煮を作るときは、酢を入れて煮る方法がありますが、なぜ酢を入れるのでしょうか?
この記事では、佃煮に酢を入れる理由や、おすすめの作り方をご紹介します。
もくじ
出汁がらの昆布でつくる昆布の佃煮が美味しい
昆布を使って出汁を取った後、その昆布をどうしていますか?
多くの人は出汁を抽出した後、昆布にはもう旨味がないと考えて捨ててしまうことがあります。
しかし、それは非常にもったいないことです。
実は出汁を取った後の昆布は、味がよく染み込む状態になっていて、佃煮を作るのに理想的な状態です。
昆布の佃煮に酢を入れる理由
昆布を煮るときは酢を使うのが一般的。
それは、柔らかく仕上げるためです。
酢で煮ると柔らかくなる理由は?
昆布を酢で煮るとが柔らかくなるのか、ここにはちょっとした科学的な理由があります。
昆布の佃煮を作る際に酢を加えると柔らかくなる理由は、酢の酸性が昆布の細胞壁を柔らかくする作用があるためです。
昆布の細胞壁は主にアルギン酸という多糖類で構成されており、これが酸によって分解されると、昆布が柔らかくなります。
また、酸性の環境は昆布のタンパク質を変性させることもあります。
これにより、昆布の組織がより柔らかくなる効果があります。さらに、酢には風味を良くする効果もあるため、昆布の佃煮においては味の面でも重要な役割を果たしています。
昆布の種類によっても仕上がりが異なる
昆布の種類によって、煮た時の硬さも変わります。たとえば、関東でよく使われる日高昆布はアルギン酸が少なめなので、酢なしでも柔らかく煮えやすいです。
一方で、関西で好まれる真昆布や利尻昆布は、繊維が多いので、酢を加えないと硬くなる傾向があります。
煮る前に、どんな種類の昆布を使っているかを知っておくと良いですね。そして、どの昆布でも、酢を少し入れて煮ることで、柔らかく、ふんわりとした食感になります。
昆布の種類がよく分からない場合は、酢の量を調整して、自分好みの柔らかさにしてみましょう。
昆布の佃煮の材料と作り方
それでは昆布の佃煮のおすすめレシピをご紹介します。
佃煮用の昆布の材料
- 昆布の出汁残り:200グラム
- 濃口醤油:100ミリリットル
- みりん:ティースプーン4
- 酒:ティースプーン4
- 砂糖:ティースプーン2から3
- 酢:大さじ1
佃煮の作り方
昆布の佃煮は、量をまとめて作ると良いですね。
出汁を取った昆布は、使うまで冷凍しておくと便利です。昆布は食べやすいサイズ、約2~3cm角に切ります。半解凍の状態で行うのがおすすめ!
- 昆布を適切な大きさに切る。
- 切った昆布を鍋に入れる。
- 上記の調味料を加える。
- 昆布と調味料を混ぜ合わせ、火にかける。
- 煮汁が沸いたら、火を弱め、弱火と中火の間で煮る。
- 約20〜30分で煮汁が減ってくるので、徐々に火を弱め、水分を飛ばして完成。
- 好みでゴマを加えても良い。
出汁を取った後の昆布はとる前の昆布よりも少し硬くなりますが、酢で煮ることで柔らかくふんわりとした食感になります。
この佃煮は味が濃く、ご飯との相性が抜群です。食べ過ぎには注意しましょう!
佃煮とは…
順序が逆にはなりますが、そもそも「佃煮」とは何か、この疑問についておさらいしておきましょう。
佃煮とは、醤油と砂糖を使って甘辛く調味された、日本独自の料理です。
材料は多種多様で、海苔や小魚、貝類、昆布、さらにはイナゴなどの昆虫まで用いられます。
牛肉を使った佃煮もあり、そこにシソやゴマを加えることでさらに風味が増します。
主にご飯のおかずとして食べられ、そのために味は濃い目になっています。
佃煮の由来は?
佃煮が始まったのは江戸時代です。
その理由として、徳川家康が摂津国(現在の大阪地域)の腕利きの漁師たちを江戸(今の東京)に呼んだことが挙げられます。彼らは隅田川の河口近く、石川島の南側に住みました(この場所は今の東京都中央区佃島です)。
そこで住んだ漁民が作った食べ物が、今の佃煮の始まりとされています。
佃島の漁民たちは、悪天候の際の食料や、漁に出る時のために、小魚や貝を塩や醤油で煮ることで保存食を作りました。これが佃煮の原型です。
佃煮の名産地は?
現在、佃煮は世界中で生産されていますが、特に小豆島は醤油の生産地としても有名で、佃煮の大きな生産地の一つです。昆布を使った佃煮は日本全国に広がっており、佃煮産業は非常に盛んです。
まとめ
今回の記事のポイントを簡潔にまとめてみましょう。
- 佃煮は、日本全国にその産地を持つ、広く親しまれている料理。
- 出汁を取った後の昆布は、味がよく染み込むので、佃煮にするのに最適!
- 昆布の佃煮に酢を入れる理由は、柔らかく仕上げ、昆布が固くなりすぎるのを防ぐため
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