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料理・食材

鉄フライパンに危険性はある?鉄分の取り過ぎになる?対処法も

鉄フライパンはその耐久性と調理の質の高さから、多くの家庭やプロのキッチンで広く普及していますね。特に、熱伝導の良さや均一な加熱能力が評価されており、長期間にわたって使用できる点も人気の理由です。

しかし、鉄フライパンの危険性を懸念される方もいるのではないでしょうか?鉄フライパンの使用による鉄分の過剰摂取という潜在的な危険性に対する関心があるのも事実です。

今回は、

  • 鉄フライパンの危険性の有無
  • 対処法

についてリサーチしました。

 

鉄フライパンの危険性は?鉄分の取り過ぎになる?

鉄フライパンはやめたほうがいい?理由は1

鉄フライパンの危険性ときいて、フライパンの鉄分が料理に移ることを想像する方がいると思います。

実際に、鉄フライパンや他の鉄製の調理器具を使うと、料理に鉄分が移ることがあります。この移った鉄分の中には、人の体が吸収しやすいタイプのものも含まれているんです。

 

調味料に影響される

さて、どのくらいの鉄が料理に移るのでしょうか?

「日本調理科学会誌」の研究をみてみました。

 

調味料を加えると、鉄の移行量が変わることが分かっています

つまり、鉄鍋からの鉄移行量は、pH値が低くて食塩が多いほど増加するということですね。

食酢を加えると鉄の移行量が多くなるのは、pH値が低いためです。

トマトケチャップと食塩を加えた場合も、鉄の移行量が比較的多くなり、これもpHの低さと食塩が影響していると考えられます。

pHが低い食材とは、基本的に「酸性」の食品です。例えばお酢、トマト、柑橘類、キムチやピクルスなど。

 

参考文献:「日本調理科学会誌」Vol.36 No.1(2003) 料理中の鉄鍋からの鉄の移行量の変化

 

加熱時間が長いほど鉄溶出量は増加

また、同研究からは、どんな調味料を使っても、鉄フライパンを長く加熱するほど、鉄が多く溶け出していることが分かっています。

 

例えば、ビーフシチューを鉄フライパンで作ると、その鉄含有量は最も多くなるとのこと。

これは、長い加熱時間が原因だと考えられています。

 

しかし、油を使うと、鉄フライパンの表面に油膜ができて、鉄が溶け出しにくくなるようです。

 

先に述べたように、pHが低いと鉄の溶け出しが多くなりますが、酢豚の場合は鉄の溶け出しが少ないという結果が得られています。

これは、野菜を油で炒めた後に酢を加えて加熱した時間が短かったため、鉄が溶け出しにくくなったからです。

 

野菜炒めの場合も、油を使って鉄フライパンに膜を作り、調理時間が5分と短かったため、鉄の溶け出しが0.61㎎と一番少なかったです。

 

鉄フライパンでの鉄分の摂りすぎは危険?

鉄フライパンはやめたほうがいい?理由は2

では、鉄分を摂り過ぎることは危険性が増すということでしょうか?

鉄不足に関する情報は多くの人が知っていますが、鉄の過剰摂取についてはあまり知られていないかもしれませんね。

鉄分が不足すると貧血のリスクが高まるのはよく知られていますが、反対に鉄分を過剰に摂取すると老化に影響を及ぼすこともあります。

 

鉄不足の人には鉄フライパンの使用が推奨されていますが、特に鉄分の補給が必要でない場合は、鉄分の過剰摂取に注意が必要です。

 

鉄を摂り過ぎによる懸念点

人によって必要な鉄の量は異なります。健康な大人の場合、男性と女性で必要量が違い、女性では月経の有無や妊娠・授乳の状況によって変わります。通常の食事では鉄を過剰に摂ることは少ないのですが、サプリメントで大量に摂ると過剰症になるリスクがあります。

参考:鉄|e-ヘルスネット

 

また、体に鉄が過剰に溜まると、酸化作用を強め、組織や臓器に炎症を起こすことがあります。これは肝臓や心血管系の病気のリスクを高めることにつながります。

 

鉄の過剰摂取が生活習慣病を引き起こすリスクを高めるという研究報告が増えていますが、鉄摂取の適正量や上限に関する明確な情報はまだ十分ではありません。

ただ、貧血の治療や予防が必要ない人は、鉄の過剰摂取に注意が必要といえます。

使っている鉄フライパンが表面処理されていない、または古いものであれば、さらに注意が必要かもしれません。

鉄分の摂取量が気になる方は、フェリチン検査(体内の鉄貯蔵量を推定する検査)で、鉄不足か過剰かを確認できます。

 

鉄フライパンの安全な使用方法

鉄フライパンからの鉄の溶出量は、使用する調味料や調理時間によって大きく異なりることがわかりました。

例えば、pHが低い食材や長時間の加熱は鉄の溶出を促進しますが、油を使用することで鉄鍋の表面に被膜が形成され、鉄の溶出が抑制されることが示されています。

鉄フライパンを安全に使用するためには、

  1. 食材や調理方法を選ぶ
  2. 鉄フライパンを適切にメンテナンスする

ことが大切です。例えば、

  • 酸性の高い食材を使用する際は別のフライパンを使う
  • また、鉄フライパンでの長時間の加熱を避ける

という工夫がおすすめ。

鉄フライパンのメンテナンスにも注意が必要で、表面の加工処理が古くなったり損傷したりしていないか定期的にチェックした方がよいですね。

 

まとめ

以上、鉄フライパンの危険性についてみてきました。

まとめ

  • 鉄フライパンを使った調理では、料理の方法によって鉄分が多く溶け出し、鉄の摂り過ぎになることもある
  • 油を使って調理する際には、油が鉄の溶け出しを抑える効果がある
  • お酢を加え長時間加熱すると、鉄の溶け出し量が増える傾向がある
  • 貧血を持つ方や予防が必要な方には、鉄フライパンが役立つことがある
  • 女性の場合、閉経後は鉄の必要量が減るため、鉄フライパンの使用時には注意が必要
  • 鉄分は不足するとも過剰に摂取するとも、老化を促進する恐れがある

 

鉄フライパンの使用には、料理法やメンテナンスなど注意するべきことがありますが、適切に使用すれば、鉄フライパンのメリットを最大限に活用することができます。

ご自身の体質やライフスタイルに合わせて使用してくださいね。

 

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