「鉄フライパンを使ってみたいけど、やめたほうがいいのかな?」
と考えることはありませんか?
キッチンでよく使われるフライパンには、いろいろな種類がありますが、今回は特に鉄フライパンに焦点を当ててみましょう。
料理に使うフライパンは、さまざまな素材で作られています。主な素材としては、以下のようなものがあります。
- 鉄
- 銅
- アルミニウム
- チタン
- セラミック
- ステンレススチール
- フッ素コーティング
これらの素材はそれぞれ、使い勝手やお手入れの点でメリットとデメリットがあります。
この記事では、特に鉄フライパンにスポットを当て、「鉄フライパンをやめたほうがいい理由」6つをわかりやすく解説していきます。
もくじ
鉄フライパンをやめたほうがいい理由6つ!
鉄フライパンを使わない方がいいとされる理由は、主に以下の6点です。
- 重さ
- 錆びやすさ
- メンテナンスが必要
- 熱伝導性
- 酸性食材との反応性
- 健康上の懸念
ただし、これらは一般的な懸念点であり、個々の使用状況や好みによって異なる場合があります。
鉄フライパンをやめたほうがいい理由の一例として、参考にしてみてください。
1.重さ
鉄フライパンは、他の素材のフライパンに比べてかなり重いです。
料理中や洗うときに片手で持つことが多いのですが、その重さが手首に負担をかけます。重たいフライパンは扱いにくく、使い続けると手首の痛みや腱鞘炎などのリスクもあります。
例えば、
- 26cmの鉄フライパンは約950g、
- 南部鉄のフライパンは約2.2kg
と重いです。
2.錆びやすさ
鉄は水分と接触すると錆びやすい性質があります。特に塩分が含まれると錆の進行が早まります。
一般的な料理で使用する水や塩によって、鉄フライパンは錆びるリスクが高まります。錆が発生すると、取り除くのが一苦労で、磨き粉などを使って強くこする必要があります。
更に、フライパンの表面を磨くと油も一緒に落ちてしまうため、毎回油ならしをする必要があり、手入れが面倒です。
このような重さと手入れの手間が、鉄フライパンを使わない方がいい理由となっています。
3.メンテナンスが必要
鉄フライパンの洗浄には、洗剤の使用が適していません。主な理由は以下の通りです。
- 染み込ませた油が流れ出てしまう
- 焦げ付きやすくなる
- 錆びる可能性が増す
洗剤を使わないと衛生的に不安に感じることもあり、これが鉄フライパンを使わない方が良いと考える理由の一つ。
また、通常の洗剤を使えないため、特別な清掃道具が必要になります。この道具の名前は「竹ささら」です。
料理の後、フライパンをお湯で洗う際に「竹ささら」を使うと、汚れを効率よく落とすことができます。
「竹ささら」は天然素材で作られているため、汚れや湿気が残るとカビや細菌の繁殖が起こりやすいです。使用後は「竹ささら」をしっかり湯洗いし、直射日光を避けて風通しの良い場所で乾かす必要があります。
4.鉄の熱伝導特性
鉄は熱をある程度均等に伝えることができますが、アルミニウムや銅と比べると熱伝導率が低いです。つまり、鉄フライパンは熱を吸収しても、その熱をフライパン全体に素早く均一に広げるのが苦手です。
例えば、加熱源(たとえばガスコンロ)に直接触れている部分(中心部分)がとても熱くなりやすいですが、フライパンの端の方まで熱が行き渡るのに時間がかかります。
料理への影響
中心部が熱すぎると、そこにある食材はすぐに焼けすぎる可能性があります。一方で、フライパンの端にある食材は十分に熱が行き渡らず、うまく焼けないことがあります。
なので、 料理を均一に焼くためには、食材をよく動かしたり、フライパン自体を回転させたりするなど、工夫が必要です。
対策
対策としては、 使用前にフライパンをじっくり予熱することが大事です。ゆっくりと熱を伝えることで、フライパン全体を均等に暖めることができます。また、火力を調節して、フライパンの一部だけが過度に熱くならないようにするのが良いですね。
5.鉄と酸性食材の反応性
鉄は酸性の食材と化学的に反応しやすい性質を持っています。これは、鉄と酸性物質が触れ合うと、鉄が溶け出すことがあるためです。
特にトマトソースのような酸性度が高い食材は、鉄製フライパンで調理するのに適していない場合があります。トマトソースは酸度が高く、鉄と反応しやすいからです。
料理の味がかわる?
このような場合、料理の味に影響することがあります。料理に金属的な味が加わることも。特にトマトソースなどの色が鮮やかな料理では、色の変化が目立ちやすいの注意が必要。
使い分けとシーズニングが大切
よって、酸性度が高い食材を調理する場合は、鉄製ではないフライパン(例えばステンレス鋼やノンスティック加工されたもの)を使用することをおすすめします。
また、鉄フライパンは定期的に「シーズニング」(油を塗って加熱する処理)をすることで、鉄の表面に保護層を作ります。これにより、鉄と食材との直接的な接触を減らすことができ、酸性の食材との反応をある程度防ぐことができます。
6.健康上の懸念
鉄フライパンを使用すると、調理中にフライパンから微量の鉄が食品に移行します。これは、鉄が食品に溶け出すことによるものです。
一般的に、鉄は人体にとって必要なミネラルであり、鉄フライパンからの微量の鉄の移行は、鉄分摂取の一助となることがあります。特に鉄分が不足しがちな人にとっては有益です。
しかし、鉄の摂取が過剰になると、一部の人にとっては健康上の問題を引き起こす可能性があります。
鉄の過剰摂取は、鉄過剰症(ヘモクロマトーシス)など特定の健康状態を持つ人にとって注意が必要。
なので、鉄フライパンの使用を検討する際には、自身の鉄分摂取の状況を理解し、必要に応じて医師に相談しましょう。 鉄フライパンを使用する場合でも、食事全体での鉄分摂取量をバランスよく管理することが大切です。
鉄フライパンを使うメリット5つ!
鉄フライパンをやめたほうがいい理由を説明してきましたが、もちろん鉄フライパンには、次のようなメリットがあります。
鉄フライパンのメリット
鉄フライパンを使用するメリット
- 熱がよく伝わるため、調理時間を短縮できる
- 油がフライパンに馴染むので、食材がくっつきにくくなる
- 加熱することで鉄分を摂取できる
- 余計な水分が出ないので、野菜をシャキシャキに仕上げられる
- 高温で調理しても、肉の表面はカリッと、中はジューシーになる
さらに、鉄フライパンには次の特長も。
鉄フライパンの特長
- 焦げにくい
- 長持ちする耐久性がある
- 強火にも耐えられる
- 長く使えば使うほど、油がなじんでくる
- ガスコンロだけでなく、IHコンロでも使える
快適に使い続けるために
鉄フライパンを快適に使い続けるためには、次の2つのお手入れ方法がポイントです。
お手入れポイント
- 油ならし
- 新品の鉄フライパンを初めて使う時や、洗剤で洗った後に行う
- 水洗いしてから空焚きし、水分を飛ばした後に食用油を入れて油を全体に広げる
- 油返し
- 日常の調理の前に行うことで、焦げ付きや錆を防ぐ
- 水洗い後、空焚きで水分を飛ばし、食用油を入れて油を全体に広げてから調理開始
まとめ
鉄フライパンをやめたほうがいい理由と、使い続けるメリットを解説しました。
メリットもたくさんありますよね。
メンテナンス性や使い勝手など、心配な点もあるかもしれませんが、これらのメリットを生かせば、鉄フライパンはより使いやすくなり、料理をする楽しみも増えます。
ご自身のライフスタイルに合わせて、鉄フライパンの使用を検討してみてくださいね。