ムカゴについてご存知ですか?これは、ヤマイモの太くなった茎の部分にできる小さな芽のことを指します。
ふだんあまり目にすることのないこの食材は、栄養が豊富で様々な料理に使えます。
しかし、食べられないムカゴもあるので、ちょっと要注意。
この記事では、
- ムカゴの基本情報
- 食べられるムカゴと食べられないムカゴの違い
- 食べられないムカゴの特徴と見分け方
についてご紹介します。
ムカゴとは
ムカゴって一体何でしょうか?
この記事では、ムカゴの特徴や風味、栄養面についてご紹介します。
特徴
ムカゴはヤマノイモ科に属するナガイモやジネンジョなどの蔓に生じる小さな芽を指します。特に秋にはヤマノイモの蔓の葉の根元にたくさん現れます。
地下のイモと同様に、山の幸として価値が高く、食用にされていますが、収穫量が限られているため、今ではあまり一般的ではありません。
市場ではあまり見かけないものの、昔から親しまれている食材です。特に10月から11月は最もおいしい時期とされています。
主な産地は、ヤマイモ栽培が盛んな北海道、青森、長野、千葉などですが、収穫量が少ないため広く流通していません。
どんな味?
ムカゴは、青臭さや独特のクセが少なく、食べやすいのが特長です。ヤマノイモに似た味わいで、淡泊ながら優しい甘みがあります。
粘り気が少ないため、塩ゆでするとホクホクした食感が際立ちます。
ムカゴの栄養価
ムカゴは、地下のイモと同じく栄養価が高い食材です。代表的な栄養素には以下のものがあります。
- アミラーゼ
この消化酵素は米や他のでんぷん質を含む食品の消化を助けます。 - アルギニン
アルギニンは性機能を強化する効果があるとされ、ヤマノイモは昔からその作用で知られ、「山のウナギ」とも呼ばれています。ムカゴにもこの性機能を高める効果があるアルギニンが豊富です。
食べられないムカゴ・ニガカシュウの特徴と見分け方
ムカゴには、食べられる種類と食べられない種類があります。ここではそれらの違いを解説します。
- 食べられるムカゴの種類
ヤマイモやナガイモのムカゴは食用として安全です。
- 食べられないムカゴの種類
ニガカシュウのムカゴは苦味が強く、食べられません。ただし、ニガカシュウの中でもカシュウイモという栽培種は、エアーポテト(宇宙芋)とも呼ばれ、これは食べることができます。
食べられないムカゴ・ニガカシュウの特徴
まずはニガカシュウの特徴など、概要をまとめてみました。
植物の分類と自然環境
ニガカシュウは、ヤマノイモ科に属するつる植物で、多年生の草本です。この植物は、日本の関東地方から西部にかけて自然に生育しています。
名称の由来
この植物の名称は、「苦荷首烏」という漢字で表現されます。その名前は、根や葉の形状、そしてむかごの苦みがタデ科に属するツルドクダミ(別名「何首烏(カシュウ)」)と似ていることに由来しています。
花と葉の特徴
ニガカシュウの花は白色から紫色の範囲で、下向きに咲きます。葉は大きくハート形をしており、互生し、表面は無毛です。葉と葉柄の接点には特徴的なひだがあります。
特性について
むかごは植物の栄養繁殖を助ける器官で、茎の一部が肥大化したものです。ニガカシュウのむかごは苦みがあり、毒性を持っているため、食用には不向きです。
どうやって見分ける?
ニガカシュウと食べられるムカゴを見分ける方法は次のとおり。
花の咲き方
まず、ニガカシュウの花は下向きに咲き、その色は白から紫です。
これを山芋の花と比べると、山芋は花が上を向いて咲き、白く丸い形をしています。両者は同じヤマノイモ科に属していますが、花の咲き方や形が違うので、見分けることができます。
葉で見分ける
次に、葉の特徴です。
山芋の葉は、茎から対になって2枚ずつ生えるのに対し、ニガカシュウの葉は茎に沿って交互に1枚ずつ生えます。
形はどちらもハート形ですが、山芋の葉は細長く先が尖っているのに対して、ニガカシュウの葉はもっと大きく、15センチほどになることもあります。
また、ニガカシュウの葉には、葉柄と接する部分に特徴的なひだがあり、これが山芋との大きな違いです。
おはようございます( ¨̮⋆)
毎日暑く⋯疲れ出ますよね⋯
体調に気をつけて良い一日を過ごせますように✩.*˚☕#ニガカシュウ #ファインダー越しの私の世界 pic.twitter.com/i4Ouw0dHl1— - (@twik629) June 19, 2023
まとめ
食べられないムカゴについてご紹介しました。
慣れないと?見分けるのはちょっと難しいかもしれませんが、ニガカシュウの葉っぱは大きなハート型でかわいいですね。
また、ムカゴは、山芋やジネンジョの根元に生じる肉芽で、そのホクホクとした食感が特徴的な食材です。
ムカゴ採集にいくときは、ぜひ参考にしてみてくださいね。